第11回 お産の準備<1>【総合病院での健診】(妊娠30週)
妊娠30週の健診
妊娠後期も後半に入り「産むための準備」をする時期になってきた。そのひとつが総合病院での健診。
助産院や自宅での出産を希望する場合でも、きちんと医師の健診を受ける必要がある。逆子や妊娠中毒症、その他出産時にリスクとなりうることがあれば、病院でお産をすることになるかもしれないからだ。
さて、妊娠30週、総合病院を受診。駅から少し離れているので、トシに車で送ってもらうことにした。産婦主体のお産である「アクティブバース」を取り入れている病院として有名なところだ。助産院や自宅出産を希望する産婦の健診も受け入れてくれ、ナツ、アチャのときにもお世話になっている。 待ち時間は覚悟していったつもりだったのだが…
胎盤の位置を確認
助産院からもらった紹介状を総合受付に出すと、係の人が産婦人科の受付まで案内してくれた。産婦人科の待合室は女性と赤ちゃんであふれている。付き添いで来ているらしい男性も多くいて、トシが待合室にいても違和感はない。
健診は、医師の問診→超音波検査(おなかのエコー)→内診と超音波検査(膣から子宮の中を見るエコー)→医師との面談(検査結果の説明)の順で進んだ。
実は26週のときに出血があった。それまで健診を受けていたクリニックで、胎盤の位置が低めだから一度大きな病院で検査を受けたほうがよい、場合によっては病院での出産も検討したほうがよいと言われていた。膣からのエコーで、胎盤の位置がかなり正確にわかるそうで、今回その検査もしてもらった。
医師「胎盤は子宮口から少なくとも2.5センチ離れているので、普通分娩(私の場合は助産院か自宅での出産)で問題ないでしょう。じゃ、あとは助産師の健診を受けておしまいです。おつかれさまでした」
ヨーコ「ありがとうございました」
待ちくたびれて
ここに健診に来た一番の目的は達成された。安心する。病院に到着してからここまでで2時間経過。 (おっ、今日はなかなか順調だぞ。あと1時間くらいで終わるかな)
ところが、このあとなかなか名前を呼ばれない。夕方6時を過ぎてしまったので、トシが自宅で留守番してくれているヨーコの母に、先にご飯を食べていてくれるように電話。ナツとアチャはおばあちゃんといい子に待ってくれているようだ。
ヨーコは待ちくたびれて、すっかり人の少なくなった待合室の長椅子に横になった。やっと名前を呼ばれたのは7時半。モニターと計測をして、本日の健診がやっと終了した。 ヨーコはくたくた、おなかもぺこぺこだったが、付き添いで来ていたトシのほうがよっぽど疲れたに違いない。トシ、お疲れ様。
大きな病院だからこそできること
これまで近所の個人医院やアットホームな助産院で健診を受けてきた私にとって、今回のような大きな病院での健診は体力的に負担感がある。
でも大きな病院だからこそできる検査や診察(必要があれば治療も)があるというのも事実。妊娠・分娩の経過がスムースにいかなければ医療の力を借りる必要があるかもしれない。安全に、それでいてリラックスして自分らしいお産をするためにも、今日の健診は必要だったのだ。
今日の健診で得たものは大きい。今のところ助産婦さんの介助で出産することに問題がないと分かったこと、緊急時に受け入れてもらえる病院を確保できたこと。「産むための準備」がこれでひとつ整った。
2週間後には助産院での健診が待っている。
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