3人目がやってきた!

第4回いざ、健診に行こう!<その2・先生へのお願い>(妊娠10週〜14週)

内診の痛みと違和感

作:ナツ
ナツが描いた絵

となりの部屋の内診台に上がる。

経膣エコーは初体験。週数が早いうちはおなかにプローブをあてる経腹エコーでは胎児が見えにくいので、膣に直接プローブを入れて検査をするらしい。画像を見ながら先生が説明してくれる。

医師「ああ、いますね。動いているの、分かりますか」
ヨーコ「はい、わかります」

と答えながらも、先生がプローブを動かすので違和感と痛みがあって、画面に集中することができない。それでも動いている赤ちゃんを確認できたのはうれしい。そのあと、内診。

「ポリープがありますね」

先生「ポリープがありますねえ。マッチ棒の先2つくらいの大きさ」
ヨーコ「えっ! ポリープですか。出産に影響がありますか」
先生「今の大きさなら問題ないけれど、年に1回くらいは、大きくなっていないか検診を受けたほうがいいですね」

ポリープなんて想像もしていなかったのでちょっとびっくりしたが、すぐにどうこうというものではないらしいのでとりあえず一安心。

今回のガン検診は子宮頸部ガンの検査だそうだ。膣の奥にある子宮の入り口をなにやらゴリゴリとこすって組織を取るらしい。
「うっ」と声をあげてしまうくらい痛かった。

布団に倒れ込んで・・・

次回の健診は4週後。血液検査をするので母子手帳をもらってくること、それから血液検査は自費の分があり15000円くらい用意してきてくださいとのこと。
「えーっ! そんなにかかるの」と思ったけど一応「はい」と答えておいた。

行くときは意気揚々としていたのに、帰りはぐったりしていた。内診のあとがひどく痛んだ。家に着くと布団に倒れこんでそのまま半日横になった。

次の健診に行くのが嫌だなあ。

「わたしのお産サポート・ノート」

そうこうしているうちに、2週間たち、3週間たち、4週目が近づいてきた。日がたって冷静になってくると、少し前向きに考えられるようになってきた。

飛行機
グアムの小さな島
上/夫も私も海外旅行が好き。 飛行機に乗って次はどこへ行こうか。
下/グアムへも行きました。この小さな島までカヌーに乗ってやってきました。向こうに見えるのが宿泊したホテル。

前回、お医者さんと私は初対面だった。意思疎通がうまくできなくても当たり前。
お産情報をまとめる会で『わたしのお産サポート・ノート』を作ったときのことを思い出した。

お医者さんといいコミュニケーションをはかろう。そのためには妊婦も努力しなければならないのだ。
こんなときこそ『サポート・ノート』が役立つ!

さっそくサポート・ノートを開き、次回の健診時に先生に伝えたいことを書いてみた。

内診は遠慮したいです

〈先生へのお願い〉
1.前回の健診のあと、腹痛で具合が悪くなったので、今回はできれば内診は遠慮したいです。

2.母子手帳をもらってきました。血液検査は手帳に付いている妊婦健診受診票でできるものだけをお願いします。

私がお願いしたことはこの2つ。
なんだかもっとたくさんあったような気がするが、文章にしてみると客観的になれ、何が不安だったのか、自分がどうしたいのかがはっきりしてくる。

こうして、前回の健診から4週間後、ヨーコはサポート・ノートを手に2度目の健診に向かった。結果は大成功。
ヨーコの希望どおりにしてもらうことができた。ガン検診の結果も異常なし。

先生は内診のかわりにドップラーという機械を使い、赤ちゃんの心音を聞かせてくれた。「トクトクトクトク」という規則的なその音は「わたしはここで元気に育っているよ」という赤ちゃんからのメッセージのようだった。

前へ 次へ
著者プロフィール
著者
根本陽子(ヨーコ)。1997年、初めての子どもを妊娠し、自分の望む出産を求めて情報を集め始める。これがきっかけとなり、「お産情報をまとめる会」(下記参照) のメンバーとなる。助産師さんに介助してもらい、長女は水中で、次女は陸で、3人目は再び水中で出産。長女の出産を機に勤務していた研究所を退職。その後フリーランスで辞典の執筆、英語講師、日本語教師、中学校の国語の講師など「ことば」に関する仕事をいろいろして、現在に至る。家族は、片付け好きで子どもの保育園の送り迎えも引き受ける夫・トシ、お姉ちゃんらしくそこそこしっかり育つナツ(小学5年)、自由奔放に心のおもむくままに育つアチャ・(小学2年)、そして2005年5月に生まれたシュンとの5人家族。(写真は、アチャが赤ちゃんだった頃のヨーコ)
お産情報をまとめる会
わたしのお産サポートノート
神奈川県と東京都町田市の産院情報「わたしのお産」、第二の母子手帳「わたしのお産サポート・ノート」を編集した、お母さんグループ。「サポート・ノート」は自分のこと、おなかの赤ちゃんのこと、医師・助産師との対話などを書きつづりながら妊娠生活を送るための本。ヨーコはここで、自分自身の記録を大公開しつつ、出産に向かう(実際の書き込み欄は小さくて、だれでも簡単に記録できるものです)。