3人目がやってきた!

第46回 ビンタン島<その3>雨期の旅を楽しむ

マングローブ・ツアー、中止。残念!

のびのび
アチャは水の中で、本当にのびのびしています

ビンタン島は、雨、雨、雨。ほとんど1日中降り続いている。

ビンタン島で楽しみにしていたのが、マングローブ・ツアー。マングローブ林のある川を小さなボートで下るというもので、わざわざ日本から予約していったのに、雨のため中止になってしまった。熱帯の自然に触れることのできる貴重な機会だったのに残念。

雨がひどいとプールにも入れないし、さて、ホテルで何をして過ごそうか。

行くところもないし、することもない。雨が小降りになるまでゆっくりしましょうか。ということで、部屋でのんびり。

雨のおかげで、ゲームに盛り上がる

ルームサービス
ルームサービスを上手に使いましょう。ホテルのレストランで作って部屋まで運んでくれるので、温かい料理は温かく、味もなかなかのもの。レストランで食べるより、かえってゆっくり食べられるかも

部屋ではお絵かきしたり、DVDを見たり、読書をしたり、昼寝したり、大人も子どもも思い思いに好きな時間を過ごす。ホテルの中には、お土産屋さんやブランドショップ、カフェもあるので、ときどき散歩に出かける。ウインドーショッピングしたり、カフェでアイスを食べたり、実に自由気まま。

日本から持ってきて役に立ったのが「ウノ」というカードゲーム。5歳のアチャもルールが理解できるようになり、カードゲームやボートゲームを家族で楽しめるようになった。でも、家にいるときは、なかなか時間が取れない。一緒に仲間に入れてもらいたいシュンは、カードやボードをぐちゃぐちゃするのでゲームにならない。かといって、シュンを先に寝かせようとしても、そんなに都合よく寝てくれることは少ない。

ここでは時間はたっぷりある。シュンが昼寝すると、ナツとアチャが「ウノやろう!」と大人たちを誘う。やってみるとこれが結構楽しい。アチャでも勝てるところが良い。実際、アチャは強いのだ。勝つと余計におもしろくなるのだろう。普段の生活の中ではパパやママ、お姉ちゃんに勝るという経験はめったにできないのだから。こんな時間が過ごせるのは、降り続く雨のおかげかもしれない。


お姫様 すごろく
ナツとアチャ、インドネシアのお姫様になった気分
これ、なんだ? 壁を利用した大きなすごろく。大雨で外へ出られない子どもたちに大人気でした

1歳でリゾートの楽しみ方を会得?!

オープン・カフェ&バー
思いっきりオープン・カフェ&バー。プール遊びの合間に軽食や飲み物がいただけます

それでも、ナツとアチャはやっぱりプールに入りたい。部屋の窓ガラスに額をくっつけては「雨、止まないかな〜」。止むのを待っているといつになるか分からないので、雨の勢いが幾分おとなしくなったのを見計らって「さあ、プール行こう!」。

プールの水は結構冷たい。日が出ていないからか、気温もそれほど高く感じない。日焼けの心配がないのはうれしいけれど、長時間水の中にいると大人でも寒くなる。ナツとアチャは平気で遊んでいるが、まだ体の小さいシュンは少し長く水に入っていると唇が青くなってくる。適当にプールから上げて、タオルでくるんで抱っこしてやる。タオルにくるまったまま、おやつを食べたりするうちに体も温まって落ち着いてくる。こんなふうにプールサイドでまったりと過ごすのもシュンは好きらしい。1歳にしてリゾートの楽しみ方を会得したらしい(笑)。

プールを楽しんでいる途中、急にダーッと雨が激しくなることが何度かあった。そんなときはプールサイドにある屋根つきのカフェ&バーへ避難。大雨を横目に、大人はカクテルやビール、子どもはジュースを楽しむ。ついでもランチをとることも。


カクテル スムージー カウンター
雨が止むまで、カクテルでも楽しみましょう。左の緑色のがビンタン・ドリーム、右はたぶんソルティ・ドッグ
アチャはフルーツのスムージーをオーダー
プールの中に入ったまま飲み物が飲めるカウンター。ここに泊まったことのある友達に話を聞いていたナツ「どうしてもここで飲みたい」と寒さに震えながら飲んでいました

シンガポールのイルミネーションがきらめいて

クリスマスのイルミネーション
クリスマスのイルミネーション。全長約2.5kmのオーチャード・ロードが、端から端までこんな感じ

そんなこんなで、ビンタン島での3日間はあっという間に過ぎていった。日本への帰路の飛行機が早朝便のため、前日のうちにフェリーでシンガポールにもどらなくてはならない。「今度は雨季じゃないときにもう一度来ようね」と家族で誓い合って、私たちはビンタン島をあとにした。

最後の夜は、シンガポールのメインストリートであるオーチャードロードに繰り出した。夜のオーチャードロードは、たくさんの人で賑わっていて、街じゅうがクリスマスのイルミネーションできらめいている。ビンタン島でのんびりと3日間を過ごしてきたばかりの私たちにはまぶしすぎるくらいだ。あいにくこの夜も途中で雨が降り出したが、旅の終わりを満喫すべく、イルミネーションを楽しみながら雨のオーチャードロードを歩いた。

子どもを連れて、雨の中散歩するなんて、日本にいたらふつうはしない。そんなふうに考えると、私たちは雨季のビンタン島とシンガポールを十分楽しんだのかもしれない。でもやっぱり次は、晴れているビンタン島を訪れてみたいと思う。


雨の切れ間に1 雨の切れ間に2
雨の切れ間に、海で遊びました

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著者プロフィール
著者
根本陽子(ヨーコ)。1997年、初めての子どもを妊娠し、自分の望む出産を求めて情報を集め始める。これがきっかけとなり、「お産情報をまとめる会」(下記参照) のメンバーとなる。助産師さんに介助してもらい、長女は水中で、次女は陸で、3人目は再び水中で出産。長女の出産を機に勤務していた研究所を退職。その後フリーランスで辞典の執筆、英語講師、日本語教師、中学校の国語の講師など「ことば」に関する仕事をいろいろして、現在に至る。家族は、片付け好きで子どもの保育園の送り迎えも引き受ける夫・トシ、お姉ちゃんらしくそこそこしっかり育つナツ(小学5年)、自由奔放に心のおもむくままに育つアチャ・(小学2年)、そして2005年5月に生まれたシュンとの5人家族。(写真は、アチャが赤ちゃんだった頃のヨーコ)
お産情報をまとめる会
わたしのお産サポートノート
神奈川県と東京都町田市の産院情報「わたしのお産」、第二の母子手帳「わたしのお産サポート・ノート」を編集した、お母さんグループ。「サポート・ノート」は自分のこと、おなかの赤ちゃんのこと、医師・助産師との対話などを書きつづりながら妊娠生活を送るための本。ヨーコはここで、自分自身の記録を大公開しつつ、出産に向かう(実際の書き込み欄は小さくて、だれでも簡単に記録できるものです)。