3人目がやってきた!

第58回 継続はきっと力になる

スイミング、つまらない、やめたい

3年ぶりに、シンガポールに行きました
フードコートで飲茶
お昼はショッピングセンターのフードコートで飲茶。アチャが気に入って、二日続けて同じ店に行きました
シンボルキャラクターがカエル
泊まったホテルのシンボルキャラクターがカエル。庭のオブジェもこのとおり

ナツは、小学校3年生のとき、スイミングを習い始めた。就学前や低学年から習っている子も多い中、3年生からというのは少し遅いくらいの感じがしたが、小さい子に比べて、コーチの言うこともよく理解できるのだろう。水泳というスポーツにナツが向いていたのかもしれない。トントンとおもしろいように進級した。1年後に1級のテストに合格して、トシと私を驚かせた。

ところが1級に合格したとたん、急に「つまらない」「やめたい」と言い出した。目標を失ったのか、あるいはタイムを縮めることが目標になり、ひたすら距離を泳ぐ練習がきつかったのか。理由ははっきりしなかったが、ナツのスイミングに対する熱意はすっかりなくなってしまった。

簡単にやめてはいけないよ

でも、トシと私の意見は共通していた。
「自分でやりたいと言って始めたことを、そんな簡単にはやめてはいけない」

「やめたい」「行きたくない」と言うナツとの根比べが始まった。

日々やめたいと口にするナツは、それでも、決して練習を休まなかった。毎週毎週、つらそうに練習に出かけていくナツを送り出していると、かわいそうな気がしてきた。嫌々練習してもしかたないのではないかという思いも芽生えた。


夜の楽しみは、噴水のショー
夜の楽しみは、噴水のショー

「やめてもいいよ」というタイミングが見つからず・・・

でも、いつかはやめるにしても、たとえば1つ進級するとか、大会に出て頑張ったとか、何かいい思い出や努力した結果を残してから、次の目標に向かってほしかった。

「やめてもいいよ」というタイミングがなかなか見つからなかった。

しばらくすると、ナツが「やめたい」と口に出して言う回数が少しずつ減っていった。半年もたつとほとんど言わなくなっていた。楽しそうとまでは行かなくても、つらい時期を脱したのかなと思った。

そうしてナツは、ついに次の級に合格した。1級に合格してから、ちょうど1年たっていた。

アチャの悩み

ちょうどそのころ、アチャがスイミングを習いたいと言い始めた。1年生の夏休みと冬休みに短期の教室に通った。楽しそうに通っていたので、続けたければ入会してもいいよと言ったけど、アチャは「いい」と言って、そのままになっていた。

ところが、1年生も終わりに近づいたある日、「アチャね、本当はねスイミング習いたいんだけど…」と話し始めた。

アチャには悩みがあった。
アチャ「スイミング習いたいんだけど、一度習ったら、やめたくなってもやめさせてもらえないでしょ」

なるほど。アチャはこの点にひっかかっていたのか。合点がいった。


島の中を回るトラム あれから3年たちました
島の中を回るトラムにはドアがありません。さわやかな風を感じながら、ゆっくりと景色を楽しむことができます

考えて、考えて、決心した

ヨーコ「そうだね。一度やり始めたことはそんなに簡単にやめてはだめなんだよ。だからよ〜く考えてね」
アチャ「うん」

何日かして、
アチャ「アチャね、やっぱりスイミング習いたい!」

アチャは7歳の頭で、考えて考えて、決心したに違いない。アチャ、頑張るんだよ。応援しているよ。


見てください。このきょうだいのはしゃぎっぷり! シロソビーチとアチャ
見てください。このきょうだいのはしゃぎっぷり!
シロソビーチとアチャ

きょうだいから学ぶこと

今、アチャは、毎週元気にスイミング教室に通っている。アチャのクラスのあとに、ナツのクラスの練習が始まる。2人は更衣室ですれ違うとき、声を掛け合っているらしい。どんな会話をしているのかな。姉妹の姿、のぞいてみることができないのがちょっぴり残念である。

夜、子どもたちが寝たあとに、トシと話をした。

トシ「ナツが『やめたい』と言ったとき、簡単にやめさせなくてよかったね」
ヨーコ「子どもはちゃんと見てるんだね」

親よりも、年の近いきょうだいから学ぶことのほうが、実はたくさんあるのかもしれない。ナツとアチャ、2人のお姉ちゃんを見て育つ末っ子のシュンは、どんなふうに育つのだろう。今から楽しみである。


シュン、初めてのスライダーに挑戦 ナツと一緒に、無事に滑ることができました
シュン、初めてのスライダーに挑戦
ナツと一緒に、無事に滑ることができました


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著者プロフィール
著者
根本陽子(ヨーコ)。1997年、初めての子どもを妊娠し、自分の望む出産を求めて情報を集め始める。これがきっかけとなり、「お産情報をまとめる会」(下記参照) のメンバーとなる。助産師さんに介助してもらい、長女は水中で、次女は陸で、3人目は再び水中で出産。長女の出産を機に勤務していた研究所を退職。その後フリーランスで辞典の執筆、英語講師、日本語教師、中学校の国語の講師など「ことば」に関する仕事をいろいろして、現在に至る。家族は、片付け好きで子どもの保育園の送り迎えも引き受ける夫・トシ、お姉ちゃんらしくそこそこしっかり育つナツ(小学5年)、自由奔放に心のおもむくままに育つアチャ・(小学2年)、そして2005年5月に生まれたシュンとの5人家族。(写真は、アチャが赤ちゃんだった頃のヨーコ)
お産情報をまとめる会
わたしのお産サポートノート
神奈川県と東京都町田市の産院情報「わたしのお産」、第二の母子手帳「わたしのお産サポート・ノート」を編集した、お母さんグループ。「サポート・ノート」は自分のこと、おなかの赤ちゃんのこと、医師・助産師との対話などを書きつづりながら妊娠生活を送るための本。ヨーコはここで、自分自身の記録を大公開しつつ、出産に向かう(実際の書き込み欄は小さくて、だれでも簡単に記録できるものです)。