第20回　静電気ってなんだろう？

＋（プラス）と−（マイナス）の電子がバランスを崩す？

子どものころ、下敷きでやりましたよね？

つい先日、息子と買い物に出かけたとき、手をつなごうと思ったら「バチッ」!　そうとう派手に起きた静電気に二人して小さな悲鳴を上げてしまったナカジマ親子ですが、こういうのって、驚くのと同時に痛くて、ほんとイヤな気分になりますよね。それに静電気は、イライラした気分にもさせてくれちゃいます。中でもイライラが最高潮になるのが、髪の毛に起きる静電気です。

ナカジマは最近めっきり履くことが少なくなったけど、ナイロン系の裏地付きスカートなんかも最悪〜。気持ち悪いし、歩いているうちにどんどんスカートが上がってくるし、でも、一所懸命引きはがしてみてもいっこうになおさまらないし……我慢大会でもやってるみたいです（笑）。

そんな嫌われ者の静電気、どうやって起きるのか知ってますか？　

ちょっと難しい話になるけど、私たちを含めた地球上のすべての物質は＋（プラス）と−（マイナス）の電子を持っていて、それらは普通、上手にバランスをとっているんです。でも、こすれ合ったりして強い力が加わると、どちらか片方の電子が多いというバランスの悪い状態になります。そのバランスを元に戻そうとして静電気が起きてしまうんですね。

何を着るかで決まるバチバチ度

またおもしろいことに、こすれ合う物同士の＋と−の性質がかけ離れているほど、静電気をため込む力も大きくなるんですよ。

これを見ると、ポリエステルの入った長袖Ｔシャツの上にウールのセーターを着込んだりすると（やりがちですけどね〜）、ものすごく静電気をため込んでしまうことがわかりますよね。もとからポリエステルとウールが混紡されているものもやっぱり、起きやすくなるんでしょうね。

逆に、中間あたりの素材を上手に組み合わせて着れば、バチバチ不快な静電気とさよならできるわけです。昔から日本人になじみの深かった、絹、綿、麻の三大繊維はとっても優秀なんですね。そう考えると、イヤだイヤだと思っている静電気も、実は私たちが自ら身の回りに増やしてしまった化学繊維が原因なわけで……ん〜なぜかナカジマ、ちょっと反省なんかしてみたりして。ははは……は。

ビリビリ、バチバチはやっぱり体に悪い？

さぁて、現代生活ではなかなか防ぐことの難しい静電気ですが、バチッと来た瞬間の痛みや、衣類が体にまとわりつく気持ち悪さなど、体にも何らかの影響がありそうですよね？　ふふふ。ちゃんと（笑）、あるんですよ〜。

静電気が起きると、周辺の皮膚表面に傷がついてしまうんです。健康な皮膚なら影響は少ないんでしょうけど、ちょっと抵抗力が弱まっているときなどは、その傷からいろんなことが起きてきます。衣類のお洗濯に合成界面活性剤入りの洗剤や柔軟仕上げ剤などの加工剤を使っている場合、衣類に残留しているこれらの成分が皮膚の傷からするするっと体内に入ってくるんですって！　その結果、かゆみや湿疹などの皮膚炎を起こしたり、アトピーの原因になったりするようです。

また静電気は、体の中にあるカルシウムやビタミンＣを外に排出してしまうともいわれています。カルシウムが減るとどうなるか？　疲れやすく、怒りっぽくなりますよね。ひどくなると骨粗鬆症の原因にも。一所懸命カルシウムやビタミンＣを摂っても、バチッとするたびに減っていってしまうなんて悲しいですよね。

静電気を防ぐには？

静電気の影響がわかったところで、じゃぁ、静電気そのものを起こさないようにするにはどうしたらいいんだろう。

市場には、静電気防止繊維を使った衣類やブレスレット、静電気防止スプレーなど、「静電気を防ぐ」ことをうたった商品がたくさん出回っています。でも実は、それらに織り込まれている繊維には銅イオンが含まれている場合が多いんです。「銅イオンを織り込んだ繊維が静電気を防ぎます！」と書かれていると「ふ〜ん。静電気が起きないならイイね」と思ってしまいがちですが、銅やその化合物の人体に与える影響を知ってしまうと恐ろしいですよ。

経口摂取の場合ですが、数gで嘔吐や下痢、肝障害、腎障害などが起きるそう。たとえ口から取り込まなくても、何らかの形で皮膚から吸収してしまう可能性だってないとは言えません。スプレーはも〜っと怖いですね。地球上にもともと存在しないたくさんの化合物をたっぷり衣類や空中に噴射するんですから。

と、ちょっと脅かすようなことを書きましたが、天然繊維の洋服を選んで着ることで静電気が減るのなら、ちょっぴりうれしいなぁ。ナカジマも、子どもたちと心おきなく手をつなげるように、できるところから少しずつ変えていこうっと。

※ママ・チョイス特撰ショップにはオーガニックコットンコットンのお店「メイド・イン・アース」があります。