第21回 妊娠〜出産〜産後を見守る、「ドゥーラ」という存在(2)私の仕事環境
不安定になりがちな、産後ライフも応援
ここエジンバラでは、子育て情報誌や冊子などの情報媒体に、ごく気軽にドゥーラについての紹介が毎週のように掲載されている。全国に散らばるドゥーラたちをとりまとめる組織もすでにいくつか存在し、UKにおけるドゥーラの立場とその役割はゆっくりとでも確立してきたように見受けられる。
病院出産もサポートするが、ドゥーラの仕事内容として一番多いのは、ホームバース(自宅出産)希望の方へのエモーショナル・サポートだ。
妊娠中から出張訪問を重ね、実際のお産では、家族同然にミッドワイフ(助産師)をもてなし、お産のお供をする。基本的に、たとえ何十時間になろうとも、赤ちゃんが生まれて、胎盤が出て、初乳を飲んだことを確認して、無事に母子が清潔で乾いた床に落ち着くまでを見守る。
産後は、ホルモンの変化と育児で精神的に不安定になりがちな産後ライフを応援する。妊娠から出産、産後まで女性の傍に寄り添うドゥーラだが、悩みもある。
夫、夫の会社、周囲の友人、知人に助けられて
ほとんどのドゥーラが子持ちで、しかも、お産が好きで好きで仕方がない人たちなので、3人も4人も子どもがいたりする。当然、時間的拘束の大きいドゥーラの実態を知り、根をあげる人も多い。
せっかく一念発起してドゥーラになったけれど、家族のサポートを得られないまま足踏み状態の人もいる。
私は個人的に恵まれているほうだ。仕事と家庭が完全に同じエリアにあるので、無理をすることは多々あっても、極端な無理にはならずに済んでいる。夫の勤める会社は、妻の仕事に理解があり、子連れ出勤や早退も状況によって許される。
おかげで私は24hのスタンバイ状態を保っていられるのだ。周囲の友人、隣人にも大変お世話になっている。
この絶妙なバランスのサポート体勢のおかげで、今のところ、娘を見ず知らずのシッター業者に駆け込みであずけることなく、自分の住まうコミュニティーを舞台に、大好きな妊婦さんたちのそばに安心して寄り添っていられる。なんと幸せなドゥーラなのだろう。
今日もこれから出張訪問。娘が園で遊んでいる時間をフルに使って、予定日を5月に控えた妊婦さんのお宅までひとっ走りしてこよう!
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快晴のエジンバラ。久々にエジンバラ城を眺めてみたら、気持ちがスーっと整ってきました。
自分との対話の時間って重要だな |
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木村章鼓(きむら あきこ)
英国在住のドゥーラ&バースファシリテーター
エジンバラ大学大学院 医療人類学(Medical Anthropology) 修士
約65カ国を訪問し、世界のお産に興味を持つ2児の母
「ペリネイタルケア」(メディカ出版)にて「ドゥーラからの国際便」を連載中
HP http://nomadoula.wordpress.com/

