第13回 お産の準備<3>【物の準備、体の準備、心の準備】(妊娠35週〜36週)
オークションで新生児ドレスを見事落札
3人目のせいか、のんびりしていたらまもなく臨月。大慌てで出産準備品などの用意を始めた。押入れにあるはずの新生児の肌着や服を探したが「あれれ?」「ないぞ!」
アチャのときに使ったものがない。どうやら昨年の引っ越しのときに処分してしまったらしい。2,3枚やっと見つけたが、これじゃ足りない。でも新生児の服はすぐ着られなくなる。新品でなくてかまわないので、どうにか安く手に入れられないだろうか。
そうだ! ネットオークションで探してみよう。
検索してみると、出てくる、出てくる! 目ぼしいものをいくつかチェックして入札。数件めの入札でみごと新生児のドレス3枚を820円で落札! 送料・代金の振込手数料を含めても約1000円。出品した方は昨春男の子を出産したママだそうで、おまけに肌着などもつけて送ってくれた。こういうのもうれしい。おかげでなんとか新生児期は乗り越えられそうだ。
モーハウスの授乳ブラを改造?
赤ちゃんの準備だけでなく、ママのほうも必要なものがある。そのひとつが授乳用ブラジャー。私は授乳時に便利なハーフトップ派。今回は授乳服のメーカー・モーハウスのものを使ってみることにした。まず1枚購入し、よさそうだったら出産までに買い足すことにした。
さっそく届いた商品を身につけてみる。伸縮性があってつけごこちがよい。これは楽ちん。ところが、しばらくすると片方のおっぱいが「ぽろり」と出てしまった。妊娠・授乳中は乳腺が発達してバストが大きくなるのだ。
モーハウスのブラジャーはカップが深めに作られているけれど、もともと少々大きめの私のおっぱいは支えきれなかったらしい。何かいい方法はないものか。そこで思いついた。
縫っちゃえ!
真ん中から左右に開くタイプのブラジャーなので、思い切って真ん中をミシンでダダダと縫い付けてみた。これなら左右のおっぱいをしっかりと支えることができる。我ながらいいアイデア。ちょっとした工夫で母乳育児が楽になる。問題は解決したので、洗い替えにあと何枚か注文しておこう。
準備万端と思ったら・・・
実家に預けてあったベビーベッドや布団なども運んできた。チャイルドシートも貸してあった友人のところからもどってきた。「わたしのお産 サポート・ノート」を見ながら足りないものがないかチェック。物の準備は何とかできた。
あとは体の準備。妊娠36週。総合病院での最後の健診。おなかの赤ちゃんは順調に育っていて、胎盤の位置も問題なし。医師から自然分娩OKが出る。体のほうも出産に向けて準備万端。
ところがその晩から、夜中に目が覚めると、再び眠りにつくことができない日が続いた。お産のことを考え出すと、心がざわざわして落ち着かず、頭が冴えて眠れない。お産の準備が整ってきて、いよいよだと思ったら、緊張してきたのだろうか。心の準備はまだできていないらしい。
眠れない布団の中で、陣痛が来たときの行動を、頭の中でシミュレーションしてみる。
平日の昼間だったら? トシは職場。ナツは小学校。アチャは保育園。みんな居場所がばらばら。まず、小学校に電話してナツを帰宅させてもらい、ナツの到着を待ってタクシーを呼んで、アチャを迎えに保育園に行き、それから産院へ。陣痛を逃しながらこれらをするのはしんどそう。私は自宅にいて「みんな集まれー!」と号令をかけたほうが楽な気がする。
夜中だったら? 寝ているナツとアチャを起こして連れて行くのはたいへんかもしれない。助産婦さんに来てもらったほうがいいかも。
やっぱり自宅出産にしようか。
私が一番望んでいること
この話をトシにした。
ヨーコ「家で産むことにして、みんなに『集まれー』ってしたほうがいい気がする」
トシ「家で産まなくてもいいよ。産んだあとが大変だよ。アチャやナツが『ママー』って寄ってくるからゆっくり休めないでしょ。ヨーコがそうしたいのなら、家でもいいけど。後悔が残らないようにね」
トシは、基本的には助産院のほうがいいと思うが、最後は自分で決めなさいという意見。全面的に反対されるかと思っていたので、意外だった。結局私の心ひとつなのだ。
どこで産むかまだ答えは出ていない。が、ひとつ分かったことがある。それは、わたしが一番望んでいるのは
「家族みんなで赤ちゃんを迎えたい」
ということ。その願いがかなう産み場所はどこなのかな。
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