3人目がやってきた!

第25回 子連れでシンガポール旅行<その2>(生後5か月)

シンガポールの朝

緑が多い街中
街中は緑が多く、歩道が広い。交通量も多いので、横断歩道を渡ろう

朝食のあと、みんなでぶらっと散歩に出た。湿気が肌にまとわりつくようなじめっとした空気と、これから昼に向かって暑くなりそうな空が、シンガポールの朝っぽくて「ああ、今シンガポールにいるんだ」と実感する。

実は、お目当てのホテルが満室で予約が取れず、昨夜は街の中心部にあるホテルに泊まった。朝早いので街はまだ静かだが、ここはオーチャードロードという、シンガポールのメインストリート。デパートやショッピングセンターが連なり、休日や夜は人が多くにぎやかな場所だ。子どもが生まれる前は、シンガポールに来るとこのあたりでよくショッピングを楽しんだっけ。

今日はお昼までこのホテルで過ごしたあと、子どもたちが楽しみにしているセントーサ島のホテルに移動する。

赤ちゃん連れの移動はタクシーで

高層ビル
高層ビルが立ち並ぶエリアも、どこかシンガポールらしさを感じる。写真はナツ、3歳
ラクサ
ラクサと呼ばれる麺。辛そうに見えるけど、実はココナツミルクがベースの不思議な味。トシとヨーコの好物

ホテルのチェックインは午後3時。今泊まっているホテルのチェックアウトは12時なのだが、レイトチェックアウト(チェックアウトの時間を遅くすること)をお願いし、1部屋だけ3時まで使えるようにしてもらった。半日分の追加料金を支払ったけど、こうしておけば、ぎりぎりまで部屋で休むことができ、シュンの昼寝も心配いらない。早朝に到着、あるいは深夜に出発する飛行機を利用する場合なども、赤ちゃん連れのときはできるだけ部屋を確保しておけるといいね。

移動はもっぱらタクシー。シンガポールは地下鉄も使いやすいけど、荷物の多い子連れにはタクシーが便利。メーター制で料金が明瞭なので、旅行者にも使いやすい。そのうえ安いのが魅力。初乗り2.40ドル(1シンガポールドル70円として約170円)だから、近場の移動にもバスがわりに使える。郊外の観光スポットへ行くときだって20ドル(1400円程度)も払えばたいていのところには行ける。

セントーサ島は、シンガポールの南の端にある小さな島で、本土とは橋でつながっている。タクシーは20分ほどでセントーサ島に到着。泊まるホテルはシャングリラ・ラサ・セントーサ・リゾート。週末になるとシンガポール人の利用も多く、現地の人にとってもリゾート的存在のホテルらしい。プールサイドでの結婚式に何度も遭遇した。

部屋はツインを2部屋借りた。予約のときにコネクティングルーム(部屋と部屋の間にあるドアを開けると、2部屋をつなげて使うことができる部屋)をリクエストしておいた。外国のホテルに不慣れなバーチャンもこれなら安心。ナツとアチャも、あっちとこっちを行ったり来たりして、2部屋を有効に使うことができた。

子どものおかげで見つけた、旅の楽しみ方

プレイハウス
プレイハウスには常駐スタッフがいて、5歳から10歳までの子どもを無料でみてくれる

滞在中、ナツとアチャはとにかく
「プール入りたい!」
朝は朝食の前にまずプール。食べ終わったらプール。昼食はプールサイドで注文できるので、そこで食べて、またプール。ナツ・アチャ・トシ組はほとんど1日中プール。一方、シュン・ヨーコ組は、プールで遊んで、部屋にもどって昼寝して、と、シュンに合わせて過ごした。バーチャンも適当に自分のペースで楽しんでいたようだ。

でも、さすがに1日中プールではナツとアチャも疲れるはず。午後必ず1回は昼寝をする約束をした。4歳のアチャはベッドに入るとたいていすぐに眠ってしまう。ところが7歳のナツにとって、昼寝というのはなかなか難しいことのようだ。
ナツ「眠れないよ〜」
ヨーコ「眠れなければ寝なくてもいいから、ベッドに横になっていよう。体の疲れが取れるから。そしたらまたプールで遊ぼうね」

トシと2人で旅を楽しんでいたころは、とにかく足が痛くなるまで街を歩き、いろいろなものを見てまわった。ホテルのプールでのんびり本を読んでいる外国人のご夫婦や家族連れを見かけることがあっても、当時は自分がそういう旅をしているところを想像できなかった。子どもが生まれたおかげで、旅の新しい楽しみ方を知ることができたというわけだ。

深いところもへっちゃら 幸せそうな顔 水しぶきをあげて大喜び
ナツ、足のつかない深いところもへっちゃら
アチャのリラックスした幸せそうな顔
両手で水面をたたき、水しぶきをあげて大喜びするシュン
タオルスタンド 出前みたい 夕暮れ時
プールサイドにあるタオルスタンド。スタッフはフレンドリーで親切。ナツとアチャも英語で「タオル、プリーズ」
プールバーのスタッフに合図すると、注文を取りに来て、料理ができると運んできてくれる。出前みたいだね
海は夕暮れ時が一番きれいかも

動物園巡りはおすすめ

バードパーク
バードパークで鳥にえさをやるナツ。おっかなびっくり
不思議な動物
目の前を歩く、パンダ模様の不思議な動物
象
象の体に触ることもできたよ。象の肌ってどんな感じだと思う?

ホテルのプールでのんびりするのもいいけれど、せっかくの滞在だから、シンガポールならではの場所にも足を伸ばしたい。シンガポールには、子連れで楽しめるスポットがたくさんある。

おすすめは、シンガポール動物園。堀や植物をうまく使った柵のないオープンスタイルの動物園で、動物たちを間近に見ることができる。目の前に突然動物が現れることもある。

ショーもおもしろい。以前に行ったときのこと。ショーを見ていたら、私たちの席の前にたまたま箱があって、その中からヘビが出てきたことがあったよ。トシがビックリして飛びのいたっけ。こんなふうに魅せる工夫が満載だ。

シンガポール動物園の隣にある、ナイトサファリという夜の動物園も楽しい。トラムと呼ばれるバスのような乗り物に乗って園内を1周できるので、ママが赤ちゃんを抱っこしたまま園内を見てまわることができる。元気のいい子どもなら、暗い中、動物を探して歩いてまわるのもまた楽しい。

ナイトサファリは2年前に行ったけど、夜行性の動物が生き生きと暮らしている様子に、ナツとアチャも大興奮。
「ママ、あそこにいるよ〜!」「こっちにもいる〜!」
「えさ食べてるね」「あっ、おしっこしてる〜!」と楽しそうだった。もちろん大人もちゃんと楽しめる。「子どものため」だけに行くのでなく、みんなで楽しめるのがうれしいね。

さて、今回はまだ行ったことのないところに行ってみることにした。タクシーに乗り込んで「ジュロン・バードパーク」へ出発!

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著者プロフィール
著者
根本陽子(ヨーコ)。1997年、初めての子どもを妊娠し、自分の望む出産を求めて情報を集め始める。これがきっかけとなり、「お産情報をまとめる会」(下記参照) のメンバーとなる。助産師さんに介助してもらい、長女は水中で、次女は陸で、3人目は再び水中で出産。長女の出産を機に勤務していた研究所を退職。その後フリーランスで辞典の執筆、英語講師、日本語教師、中学校の国語の講師など「ことば」に関する仕事をいろいろして、現在に至る。家族は、片付け好きで子どもの保育園の送り迎えも引き受ける夫・トシ、お姉ちゃんらしくそこそこしっかり育つナツ(小学5年)、自由奔放に心のおもむくままに育つアチャ・(小学2年)、そして2005年5月に生まれたシュンとの5人家族。(写真は、アチャが赤ちゃんだった頃のヨーコ)
お産情報をまとめる会
わたしのお産サポートノート
神奈川県と東京都町田市の産院情報「わたしのお産」、第二の母子手帳「わたしのお産サポート・ノート」を編集した、お母さんグループ。「サポート・ノート」は自分のこと、おなかの赤ちゃんのこと、医師・助産師との対話などを書きつづりながら妊娠生活を送るための本。ヨーコはここで、自分自身の記録を大公開しつつ、出産に向かう(実際の書き込み欄は小さくて、だれでも簡単に記録できるものです)。