3人目がやってきた!

第35回 我が家にも夏休みがやってきた

夏休みは「つまんな〜い」

庭でプール
庭にビニールプールを出しました。アチャ「つめた〜い!」

我が家では、これまで夏休みにあまり縁がなかった。というのも、保育園には夏休みがないからだ。保育園では、保護者のそれぞれの休みに合わせて、園児も休む。ナツが小学生になった昨年から、我が家にも「夏休み」がやってくることになった。

昨年の夏休みは、ナツが小学生になって初めての夏休み。シュンが5月に生まれたばかりだったので、私も家にいて、ナツの相手をしてやれる時間が多かった。シュンがいるので外出はあまりしなかったけど、ナツは家で好きなことをしたり、近所の友達と遊んだりして過ごした。

そして、今年の夏休みがいよいよ始まった。初日から
ナツ「つまんない、つまんない、つまんな〜い!!」

1日目からこれでは先が思いやられる。

ヨーコ「じゃ、お友達に『遊ぼう』って電話でもしてみたら?」
ナツ 「そういう気分じゃないの」

学期中は、学校でお友達と遊ぶ約束をしてくることが多い。約束をしていなくても、帰ってきてから電話で都合を聞いて遊びに行くこともある。ところが夏休みに入ったとたん、「そういう気分」じゃないらしい。夏休みって、不思議な力が働くのかな。

「幼なじみ」って、いいね

アチャの顔より大きいすいか
アチャの顔より大きいすいか
ナツ、待ちきれず、ガブッ!
ナツ、待ちきれず、ガブッ!
ぼくは手づかみ
ぼくも手づかみで食べました

ナツは土日や長期の休みになると、保育園のときの友達と遊びたがる。その日、夜になって
ナツ「保育園のときの友達と遊びたいなあ」
ヨーコ「じゃ、電話してみたら」
ナツ「うん、してみる」

今度はすぐに行動に移すナツ。

ナツ「もしもし、根本ナツですけど、明日遊べますか?」

何軒かに電話をかけて約束を取り付けた。

翌朝、保育園時代の友達が2人、我が家にやってきた。一緒に学校の宿題をしたり、公園で遊んだり。私は仕事の合間にちょこっと宿題を見てやる程度。あとは3人で夕方まで楽しそうに過ごしていたので、私も仕事がはかどって助かった。

保育園時代の同級生って、特別なんだなと、この3人を見ていて思う。ナツ以外は男の子。みな別々の小学校に通っていて、普段はなかなか顔を合わせることはない。それなのに、たまに会ってもこうしてすぐに仲良くなれる。こういうのを「幼なじみ」というのかな。それとも保育園で一緒に育った「兄弟」のような存在なのかもしれないな。

お昼のそうめんを食べながら、3人はお互いの学校の話を始めた。隣のテーブルでそうめんを食べていた私は、3人の話を横でさりげなく聞きながら、こういう友達がいるナツをうらやましいなと思った。年頃になってもずっと続く関係であるといいなと願っている。

今頃? シュンの人見知り

1日陶芸教室
ナツ、1日陶芸教室に参加して、小鉢を作りました。1か月後のでき上がりが楽しみ

ある日、保育園のお迎えから帰ったトシが言った。
トシ 「今日、シュンのクラスに実習の先生が入ったそうなんだけど、その先生を見て、シュンずーっと泣いていたんだって」
ヨーコ「人見知りってこと?」
トシ 「そうらしいよ」
ヨーコ「へえ、シュンが人見知りなんて珍しいねえ」

シュンは誰にでもニコニコと笑顔を向ける。だからスーパーで買い物しているときも、電車に乗っているときも、見知らぬ人から「かわいいね」「いい子だね」などとよく声をかけられる。そのシュンが人見知り? ちょっと意外だ。

その2、3日後。今度は私がお迎えに行ったときのこと。シュンのクラスの部屋に入ろうとしたらちょうど先生が出てきた。

先生 「シュンちゃんのお母さん、いいところにお迎えに来て下さいました」
ヨーコ「何か?」
先生 「今さっき、お友達のお父さんを、シュンちゃんが自分のお父さんだと思って、顔を見たら違ったのでびっくりしてしまって、大泣きしているんです。まだ泣いていると思うので早く行ってあげてください」

部屋に入ると、涙を流しているシュンが、別の先生に抱っこされていた。シュンは1歳2ヶ月になったところ。この時期になって、人見知りが始まることもあるのかしら。ナツとアチャは、人見知りをほとんどしなかったので、トシにとっても私にとっても初めての経験。今後、どうなっていくのか、しばらく様子を見ることにしよう。

ダンスを習いたい!

保育園の夏祭り
保育園の夏祭り。シュン、ヨーヨーが釣れて大喜び
浴衣を着ておめかし
アチャも浴衣を着ておめかし。給食の先生が作ってくれた炊き込みご飯のおやつをいただきます

夏という季節は、習い事を始める子が多いらしい。保育園のアチャのクラスでも「〜ちゃんはスイミングに行くんだよ」とか「〜ちゃんはバレエやっているんだよ」とか、アチャが言うようになった。
ヨーコ「アチャも何かやりたい?」
アチャ「うん、ダンスがいい!」

アチャは音楽を聴くと、即興で踊り始めるくせ(?)がある。自然に体が動くという感じなのだ。その踊りが独創的なのでトシも私も「アチャはダンスでも習ったらいいんじゃないかな」と思っていて、アチャにも「ダンスでも習う?」と勧めていたのだ。いつもアチャは「やだ」と言って、自分からダンスをやりたいと言い出したのは初めてだった。

習い事に関して、実はナツのときに、1度失敗している。ナツは4歳くらいから「スイミングを習いたい」とずっと言っていたのだが「小学校に入ってからでいいよ」と待たせていたら、いざ小学生になって今度は「嫌だ」と言い出し、習い始めのタイミングを逸してしまった。

子どものやる気は大事にしたい。でもその気持ちがどの程度のものなのか見極めも大事。私はアチャのダンス教室を探すべく、情報を集め始めた。さて、アチャにぴったりの教室は見つかるだろうか。

夏休みはまだ始まったばかり。3人の子どもと過ごす夏、これからどんな楽しいことが待っているのだろう。


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著者プロフィール
著者
根本陽子(ヨーコ)。1997年、初めての子どもを妊娠し、自分の望む出産を求めて情報を集め始める。これがきっかけとなり、「お産情報をまとめる会」(下記参照) のメンバーとなる。助産師さんに介助してもらい、長女は水中で、次女は陸で、3人目は再び水中で出産。長女の出産を機に勤務していた研究所を退職。その後フリーランスで辞典の執筆、英語講師、日本語教師、中学校の国語の講師など「ことば」に関する仕事をいろいろして、現在に至る。家族は、片付け好きで子どもの保育園の送り迎えも引き受ける夫・トシ、お姉ちゃんらしくそこそこしっかり育つナツ(小学5年)、自由奔放に心のおもむくままに育つアチャ・(小学2年)、そして2005年5月に生まれたシュンとの5人家族。(写真は、アチャが赤ちゃんだった頃のヨーコ)
お産情報をまとめる会
わたしのお産サポートノート
神奈川県と東京都町田市の産院情報「わたしのお産」、第二の母子手帳「わたしのお産サポート・ノート」を編集した、お母さんグループ。「サポート・ノート」は自分のこと、おなかの赤ちゃんのこと、医師・助産師との対話などを書きつづりながら妊娠生活を送るための本。ヨーコはここで、自分自身の記録を大公開しつつ、出産に向かう(実際の書き込み欄は小さくて、だれでも簡単に記録できるものです)。