3人目がやってきた!

第41回 11月3日は「いいお産の日」(2)〜お母さん、ありがとう

1回で2度おいしい双子だったのです〜

コンサート
ホールで開かれたピアノコンサートに夢中のアチャとシュン

中学生の双子のママでもある秦万里子さんは、作曲家であり、歌手であり、ピアニスト。日常の何でもないようなことを歌にしちゃう、主婦の味方のようなシンガーソングライターだ。今日のコンサートは題して「視聴者参加型コンサート」。楽しみ、楽しみ!

コンサートはいきなり即興の「お産カーニバル」の歌から始まった。

弾き語り
秦万里子さんの弾き語り。とっても楽しいコンサートでした

第8回お産カーニバルがやってきました〜
何が楽しいのか 何がどうなるのか〜
誰にも あなたにも 私にも 分からない〜
だけど きっと今日皆さんがいらしたことに
何か意味があるのでしょう〜

11月3日は いいお産の日だそうです〜
私も1回子どもを産みました〜
でも1回で2度おいしい双子だったのです〜

場内爆笑! 私も一緒になって笑った、笑った。一気に客席の皆がひきつけられる。コンサートは時に客席にもマイクを向けたり、お客さんの様子をまたまた即興の歌にしたりと楽しい雰囲気で進んでいく。

「あなたへ」という曲

かじりつき
前の座席にかじりついています

秦さんは、保育園や幼稚園、学校など、あちこちに呼ばれて歌うそうだが「どこへ言っても必ず歌う歌」と紹介して歌ったのが「あなたへ」という曲。日常の何気ないお母さんの姿を歌いながら「お母さん、ありがとう」というメッセージがこもった、お母さんへの感謝の歌だった。

ひざの上にはシュン、隣の席にはアチャ。私は、ここにいるシュンとアチャ(と別の部屋で勝手に楽しんでいて今ここにはいないナツ)のお母さんだけど、歌を聞きながら「母」ではなく「娘」になっていた。秦さんの歌が、私を娘へと引き戻したのだ。

初めて芽生えた感情

母の顔が思い浮かんだ。涙がこぼれてきた。お母さん、私を産んでくれてありがとう。お母さんが私を産んでくれたから、私がいて、ナツがいて、アチャがいて、シュンがいるのです。お母さん、ありがとう。

母に対して、育ててくれてありがとうと思ったことはあっても、産んでくれてありがとうという気持ちは、このとき初めて芽生えた感情だった気がする。

笑ったり泣いたり、忙しい(笑)、でも楽しいコンサートであった。

空の部屋 パズル 卓球
我が家の2階のオープンスペースを「空の部屋」と呼んでいます
机がわりの大きなテーブルでパズルをしたり
ときには卓球を楽しんだりします

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著者プロフィール
著者
根本陽子(ヨーコ)。1997年、初めての子どもを妊娠し、自分の望む出産を求めて情報を集め始める。これがきっかけとなり、「お産情報をまとめる会」(下記参照) のメンバーとなる。助産師さんに介助してもらい、長女は水中で、次女は陸で、3人目は再び水中で出産。長女の出産を機に勤務していた研究所を退職。その後フリーランスで辞典の執筆、英語講師、日本語教師、中学校の国語の講師など「ことば」に関する仕事をいろいろして、現在に至る。家族は、片付け好きで子どもの保育園の送り迎えも引き受ける夫・トシ、お姉ちゃんらしくそこそこしっかり育つナツ(小学5年)、自由奔放に心のおもむくままに育つアチャ・(小学2年)、そして2005年5月に生まれたシュンとの5人家族。(写真は、アチャが赤ちゃんだった頃のヨーコ)
お産情報をまとめる会
わたしのお産サポートノート
神奈川県と東京都町田市の産院情報「わたしのお産」、第二の母子手帳「わたしのお産サポート・ノート」を編集した、お母さんグループ。「サポート・ノート」は自分のこと、おなかの赤ちゃんのこと、医師・助産師との対話などを書きつづりながら妊娠生活を送るための本。ヨーコはここで、自分自身の記録を大公開しつつ、出産に向かう(実際の書き込み欄は小さくて、だれでも簡単に記録できるものです)。