第49回 スウィート・テン・バンコク<中編>片言のコミュニケーション
■日本でいえば「銀座4丁目の角」のような…
8年ぶりに訪れたバンコクは、だいぶ様変わりしていた。 市内には「スカイトレイン」というモノレールが開通し、新しいショッピング・モールや建設中の高層ビルが立ち並ぶ。
けれど、以前と変わらないものも多くあった。 王宮や寺院はきらびやかで厳か。 そして、人々は変わらず子どもたちに優しい国だった。
今回泊まったのは、バンコクのど真ん中にあるグランドハイアット・エラワン・バンコク。 日本でいえば「銀座4丁目の角」のような恵まれた立地条件で、ビジネスマンの利用が多いホテルだ。
いくら子どもに優しいタイでも、このようなホテルでは、さすがに私たち家族連れは敬遠されるのではと思ったが、そんな心配は無用だった。
スカイ・トレインの切符を買います。 身長90センチ以上は、大人も子どもも同一運賃。 改札は機械式ですが、 有人改札で、ベビーカーの私たちを見ると、 駅員さんが別のゲートを開けて通してくれました |
■子どもは友だちを作る天才
泊まった部屋の階下にはラウンジがあって、いつでも利用することができる。朝食はここで取ることができ、それ以外の時間でも、飲み物が飲める。ホテルのプールを楽しんだ後、あるいは午前の街散策から帰ってきて、部屋にもどる前にジュースとコーヒーを1杯、なんていう使い方ができて、とても重宝した。
ラウンジには専任のスタッフがいて、すぐに私たちの顔と名前を覚えてくれた。子どもたちには気さくに声をかけてくれ、小さいシュンは何度も抱っこしてもらった。
アチャはすぐにスタッフの人と仲良くなった。「あれ? アチャは?」と思うと、スタッフと何か話をしている。というよりは、コミュニケーションをとっていると言ったほうがいいのかもしれない。
アチャは、こういうとき、度胸があるというか、物怖じしない。よく「子どもは友だちを作る天才」と言うけれど、5歳のアチャが、タイの人とこうしてコミュニケーションをとっている姿を見ると、ほんとうにそうだなと思う。
■値切りは失敗(!)
ナツは、覚えてきたタイ語を駆使して、買い物に挑戦。友達にお土産を買いたいという。小物を売っている露店で、何やら物色を始めた。小銭入れにタイ・バーツ(1バーツが3円くらい)を少し入れてやり、後ろから見守った。
タイのマーケットでは値切るのが普通だという。ナツの気に入ったイルカのキーホルダー、1個40バーツ。ナツが「4個買いたい」というので、メモ帳片手に私が値切りのお手伝い。4個で150バーツで、店主のおじちゃんと話がついた後、
ナツ「ナッちゃんもほしいからもう1つ買う」
結局、5個で200バーツ。値切りは失敗(!)に終わった。ナツは状況がよく飲み込めず「???」の様子だったので、あとで説明してやると少し申し訳なさそうな顔をして
ナツ 「ごめんなさい」
ヨーコ「日本じゃ、値切る機会ないものね。これも経験! 次はきっともう少しうまくできるよ」
暑いからか、シュンはあまり歩きたがらず、ベビーカーが重宝しました。ただし、歩道は凸凹で、段差も多く、あまりベビーカー向きではないかも |
バンコクの青い空 |
暑い国は、果物がおいしい |
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