第50回 スウィート・テン・バンコク<後編>船上で感じるタイの心
路線バスならぬ「路線船(!)」
バンコクはとにかく暑い。子どもたちは、プールにさえ入っていれば満足なのだが、バンコクは市内にも見所がたくさんある。せっかくここまで来て、それらを見ないのはもったいない。そこで、毎日午前中に1か所だけ出かけて、午後はホテルでのんびりするというスケジュールにした。
移動にはタクシーが安くて便利だが、とにかく時間がかかるのが難点。街中は交通渋滞が激しく、10キロ程度の距離に1時間かかることも。
そこで、滞在にも慣れてきた旅の後半は、船での移動にもチャレンジ。これがやってみるとなかなか快適。
バンコクの街の中には川があちこちを流れていて、人々の毎日の交通手段として、船が重宝されている。川向こうに渡るための小さな渡し舟から、停留所がある路線バスならぬ「路線船(!)」もある。
ワット・ポー(ワットは「寺」の意)にある、黄金の寝釈迦仏。その大きさに子どもたちもびっくり |
陶器で飾りつけられている仏塔。落ち着いた色合いの中にも華やかさがある |
タイの人々の心や生活感を感じる
シュンを抱っこして船に乗り込むと、必ず席を譲ってくれる人がいる。「サワディカー」とお礼を言って、ありがたく座らせてもらう。
船はオープンな作りで、ときどき川の水がはねて顔にかかることも。でも、そんなこと、みんな特に気にする様子もない。風を感じながら水の上を移動していると、暑さも多少やわらぐ気がしてくる。
こんなふうなちょっとしたことに、この国の、人々のゆったりとした心や生活観が感じられる。ナツとアチャも何かを感じているのだろうか。二人とも船の柵にしがみついて、流れていく川面や風景をずっと眺めていた。
船の上。シュンはちょっと怖かったのか、抱きついて離れませんでした |
アチャ、何を見ているのかな |
船着場で、私たちの乗る船が来るのを待っています |
老後はタイにロングステイ?
1歳だったナツを連れて、初めて訪れた海外が、ここ、バンコクだった。そのときも感じたことだが、この国は、子ども連れの私たちにとって、とても居心地がいい。今の日本にないもの、忘れられてしまったものが、ここにはあるということなのかなあ。
お天気にも恵まれ、タイの文化や街、言葉、人、いろいろなものに触れて、感じて、楽しんだ、いい旅だった。帰国後、トシと「老後はタイにロングステイもいいね」なんて話をしたくらいだ。
こちらはベッドルーム。レイト・チェックアウトをお願いしたので、最終日は夕方6時まで部屋を使うことができました。今夜の便で日本へ帰ります |
成田に到着してみると、日本は冷たい雨が降っていました。冷房対策にも雨具がわりにも使えるナイロンのパーカーは、軽いし、小さく畳めるので旅行に便利 |
前へ | 次へ |