3人目がやってきた!

第54回 子ども3人とママと、電車の旅

おじいちゃんちへ、片道2時間の旅


玉川大学のキャンパスは自然がいっぱい
シュンが赤ちゃん研究の実験の被験者になるためにやってきました。玉川大学のキャンパスは自然がいっぱい

毎年、年越しとお正月を、おじいちゃんちで過ごす。年末、まだ仕事の残っている夫・トシを自宅に残し、一足先に、ナツ、アチャ、シュンと私の4人で、おじいちゃんちに行くことになった。

おじいちゃんちは、我が家から電車で2時間のところにある。大きな荷物は宅配便で送り、ナツとアチャにはそれぞれリュックを背負わせ、私はカバン1つ(とシュン)で電車に乗る。

シュンが2歳を過ぎたあたりから、トシが仕事で留守の週末など、私一人で子ども3人連れてのお出かけが楽しめるようになってきた。たとえばこんなふうにおじいちゃんちへの片道2時間の電車の旅。子どもたちはもちろん、私もけっこう楽しみだったりするのである。これって、以前の私だったら考えられないくらい、ものすごく大きな変化である。

それぞれの成長、そして今

思えば、私たちの子どもがナツひとりだったころ、ちょっとのお出かけでさえ、ものすごく大変なことのように感じた。それが3人でもそんなに大変だと思わなくなったのは、上の子が成長したからなのかな。

しっかり者のナツは、電車やバスで出かけるとき、とっても頼りになる。アチャの手を握り、荷物を持ち、降りる駅の確認も怠らない。

迷子の常習犯だったアチャ。彼女には、突然ダーッと走るという特性があった(今も多少ある)。以前、大型ショッピングセンターで迷子になったときは、1階で迷子になったのに、3階で発見された。駅で迷子になって、おまわりさんのお世話になったこともあった。

ナツの成長過程との相違に戸惑い、いつになったら迷子の心配がなくなるのだろうと心配したけれど、子は、それぞれの成長を遂げると、アチャは私たちに教えてくれた。今ではナツとともに、頼りになる「お姉ちゃん」である。


うどんカフェ
うどんカフェ 今日のランチ 「こどもの国」駅
玉川大学から歩いて40分。実験のあと、うどんカフェにやってきました。見てください!シュンの食べっぷり
今日のランチは、かけうどん、エビと野菜の天ぷら、小鉢、ごはん(800円)
帰りは「こどもの国」駅から電車に乗ります

今回は、いつもと違うルートで


バースディケーキ
12月のヨーコの誕生日。ナツとアチャとトシが、内緒でパーティーを開いてくれました

さて、おじいちゃんちへの里帰りの旅である。

頼りになるお姉ちゃんが2人もついているが、それでも、それなりの緊張感はある。周りの人に迷惑をかけないように、できるだけストレスなく移動できるようにと、おじいちゃんちに行くときはJRのグリーン車を利用することが多い。このルートだと、東京駅での乗り換えが必要だ。

今日は12月30日。多くの会社はすでに年末の休みに入っている。通勤客はほとんどいないだろうが、東京駅は帰省客で混雑しているだろう。東京駅を経由せずに済むように、いつもとは違う私鉄を使うルートで行くことにした。

ナツとアチャは、いつもと違う電車の旅に、わくわくしているようだ。シュンは、いつもはベビーカーなのだが、荷物を減らすために、今日は歩いてもらうことにした。


ケーキをペロリ 歌とダンス
シュンもみんなと同じ大きさのケーキをペロリ。少々食べすぎでは・・・
ナツとアチャの出し物。2人で歌とダンスを披露してくれました

シュンの鉄道実況中継

ホームの一番前で電車を待った。車中はすいていたので、空いている席に座った。シュンは、靴を脱がせて座らせると、窓から外を見て大喜び。ときどき反対方向の電車とすれ違うと、

シュン「でんしゃ、きたね」「デデン、ドドン、デデン、ドドン」「あ〜、でんしゃ、いっちゃったね〜」

と実況中継。

特等席で、自分が運転している気分

ナツとアチャは、運転席の後ろのガラス窓にぴったりとはりついている。乗ったのは先頭車両。運転手さんの運転している様子がばっちり見えるのだ。

前方の窓から線路も見えるから、まるで自分が運転しているような気分になれるのかもしれない。ナツとアチャのほかに、もうひとり、電車好きらしい小学生の男の子が乗っていた。その子とナツとアチャ、3人は、しばらくの間、その場所を動かなかった。

ヨーコ「シュンもねえねえ(ナツのこと)とアチャのところ行く? それともここがいい?」
シュン「(首を横にふり)ここ」

シュンも運転席を見たいかなと思って聞いてみたが、シュンは走る電車を見るほうが楽しいらしい。


電車が通過しま〜す ナツが写した1枚
何をしているでしょう? 「ナツとシュンのトンネルを電車が通過しま〜す」
ナツが写した1枚。「シュンが喜ぶかなと思って・・・」やさしいお姉ちゃんです

ほんとうに、電車が好き!

しばらくすると、電車の車庫があるところを通過した。何台もの電車が重なるようにして止まっているのが見える。

シュン「でんしゃ、いっぱい〜。いっぱいだね〜」

大興奮するシュン。ほんとうに電車が好きなんだなあ。ナツもアチャも、乗り物にはそれほど興味を持たなかったから、やっぱり男の子なんだなあとも思う。

シュンのいとこで5歳の男の子が、もう遊ばなくなったからとおじいちゃんちに置いていったプラレール。プラスチックの青いレールをつなげて、電池で動く電車を走らせるおもちゃ。無事、電車の旅を終え、おじいちゃんちに着いたシュンは、今度はプラレールに大興奮。結局、おじいちゃんちにあったレール全部、もらってきた。

我が家の一部屋は、今、電車部屋になっている。


電車が通るのを待っているのかな 大きくなったら何になるのかな。
シュン、電車が通るのを待っているのかな
シュンは大きくなったら何になるのかな。電車の運転手さん? それともパイロット?


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著者プロフィール
著者
根本陽子(ヨーコ)。1997年、初めての子どもを妊娠し、自分の望む出産を求めて情報を集め始める。これがきっかけとなり、「お産情報をまとめる会」(下記参照) のメンバーとなる。助産師さんに介助してもらい、長女は水中で、次女は陸で、3人目は再び水中で出産。長女の出産を機に勤務していた研究所を退職。その後フリーランスで辞典の執筆、英語講師、日本語教師、中学校の国語の講師など「ことば」に関する仕事をいろいろして、現在に至る。家族は、片付け好きで子どもの保育園の送り迎えも引き受ける夫・トシ、お姉ちゃんらしくそこそこしっかり育つナツ(小学5年)、自由奔放に心のおもむくままに育つアチャ・(小学2年)、そして2005年5月に生まれたシュンとの5人家族。(写真は、アチャが赤ちゃんだった頃のヨーコ)
お産情報をまとめる会
わたしのお産サポートノート
神奈川県と東京都町田市の産院情報「わたしのお産」、第二の母子手帳「わたしのお産サポート・ノート」を編集した、お母さんグループ。「サポート・ノート」は自分のこと、おなかの赤ちゃんのこと、医師・助産師との対話などを書きつづりながら妊娠生活を送るための本。ヨーコはここで、自分自身の記録を大公開しつつ、出産に向かう(実際の書き込み欄は小さくて、だれでも簡単に記録できるものです)。