第44回 冬休みはインドネシア・ビンタン島 <その1>
大好きなシンガポールへ
昨夏、「今年も秋ぐらいに旅行に行けるかな」と何気なく航空券の空き状況をチェックしていたら、シンガポール行き12月24日出発便に空きがあることが判明。おお、これならナツの小学校も冬休みに入っているし、都合がいい! 大慌てでトシと旅行の算段。
前回のシンガポール旅行も一緒に行ったオバーチャンにも連絡してみる。急な誘いなので無理かなと思って電話したのだが、
ヨーコ「年末に飛行機のチケットが取れそうなのだけど、一緒に行く?」
オバーチャン「行く、行く」
と即答。
というわけで、年末はシンガポールに行くことに決定。
ところが、いつも利用するホテルが満室で取れないことが分かった。クリスマスのシーズンだからしかたないが、このホテルのプールが大好きなナツとアチャは、がっかり。
シンガポールからフェリーで45分
急きょ候補に挙がったのがインドネシアのビンタン島。シンガポールからフェリーで45分のビンタン島は、シンガポールとインドネシアが共同で開発したリゾート。英語が通じて、シンガポールの通貨も使えるという手軽さがいい。シンガポールとはまた違った文化を体験できるのも楽しみ。
9月、2学期が始まってすぐのある日。学校から帰ってきたナツが言った。
ナツ 「同じクラスの男の子が、夏休みにビンタン島に行ったんだって」
初めて行くビンタン島。いまひとつピンときていなかったナツだったが、この同級生からいろいろと話を聞くうち、身近になったらしい。毎日のように「ああなんだって」「こうなんだって」と、友達から聞いた島の様子を私たちに話してくれた。
クリスマス前の機内は満席
さて、そんなこんなで無事に2学期が終わり、ナツが通知表をもらってきた2日後、私たちはシンガポール行きの飛行機に乗るために成田空港に向かった。
飛行機は予定通り夕刻に出発。機内は満席である。クリスマスやお正月を一緒に過ごすために、家族のもとへ向かう人たちが多いのかな。
飛行時間は7時間。ナツとアチャは機内で上映される映画を見たり、お絵かきしたり、と上手く時間を過ごしている。さすが、8歳と5歳。飛行機での旅も数を重ねて、コツをつかんでいるらしい。最後は眠くなって二人とも就寝。到着までゆっくりお休みなさい。
じっとしていられないシュン
一方、1歳半のシュンはというと、彼にとっては、狭い機内でじっとしていることがとても難しい。こういうときのためにと持参したのがDVDプレーヤー。シュンお気に入りのビデオを見せてみよう。機内は飛行機のエンジン音でかなりうるさく、また他のお客さんの迷惑にならないように、音声はイヤホンを通して聞く。ところが、シュンはこのイヤホンが気になってしまい、すぐに外してしまう。なかなかこちらの思い通りにはいかない。
しかたないので、機内を散歩。といっても、狭い通路を、じゃまにならないようにぐるぐると回るだけなのだが、そんな私たちに乗務員さんが声をかけてくれる。
乗務員さん「ぼく、まだ寝ないの?」
ヨーコ 「そうなんです。もう眠いはずなんですけど」
いつもは夜9時に寝るシュン。すでに11時を過ぎている。とっくに眠いはずなのに、慣れない飛行機に少々興奮しているのかもしれない。大人の私たちでさえ眠くなる時間だが、頑張って付き合おう。トシとオバーチャンと私、3人で順番にシュンの相手をして、最後はおっぱいを飲ませて、やっと寝かしつけることができた。
熱帯植物とスコールに迎えられて
深夜、シンガポールのチャンギ国際空港に到着。この夜は空港近くのホテルに宿泊する。タクシーでホテルに向かう途中、雨が降り出した。雨足はどんどん激しくなる。道路脇に植えられている熱帯植物とスコールのような激しい雨。車窓からそれらを眺めながら「またシンガポールに来たんだなあ」という実感がわき上がってくる。
実はこの「雨」、今回の旅のキーワードになるのだが、このときはトシも私もそんなこととは露知らず。
ホテルに到着したのは深夜1時すぎ。シャワーを浴びて、パジャマに着替えて、明日のことをそれぞれにわくわく思いながら、やっと本当の眠りについた。長い1日だった。明日は、いよいよ今回の旅の目的地、ビンタン島へ。
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