両足を図のようにくっつけてみましょう。両足のおやゆびの間にできた三角形の角度が30度以上あると、外反母趾の疑いがあります。おやゆびの爪が斜めになるほど曲がっていたり、中にはおやゆびが曲がりすぎて、2番目のゆびを押し上げていたりする人もいます。このようなゆびでは、踏ん張ったり、けり出したりすることが十分にできませんので、そのうち腰や膝が痛くなります。
おやゆびが曲がると同時に、小ゆびもおやゆび方向に曲がります。太くて強いおやゆびは曲がるだけですが、小ゆびが曲がると地面から浮いて、使われなくなります。小ゆびの付け根で体を支えて動くので、ここが固くなってタコができます。
手をじゃんけんのグーの形にして机の上に置き、指の付け根のところを見て下さい。人差し指の付け根が、一番高いアーチになっているはずです。では、足も同じような形にしてみてください。2番目のゆびの付け根のところが一番高いでしょうか?
2番目の指の付け根が一番高い人は、横のアーチがあり、土踏まずができています。ところが、最近は、この2番目の付け根が一番低い人が多くなっています。このような人は、足ゆびの力が弱く、外反母趾になりやすい足といっていいでしょう。足ゆびを靴、特にハイヒールで締め付けたり、足ゆびをよく使わない生活をしたりしていると、こんな足になります。
子どもの骨は柔らかいので曲がりやすく、第2趾(し)が浮いている子がかなり多いのですが、これは、靴が足に合っていないということですから、今の履き物をはき続けると外反母趾になることも考えられます。先のとがった靴、足の形(足はまっすぐではなく、内曲がりのラインを描いている)に合わない靴、足のサイズに合わない靴は危険です。小さすぎる靴は足のゆびを締め付け、大きすぎる靴は、足が前に滑り過ぎたり、かかとが動いたりして、ゆびを働かせることができません。
外反母趾は、足の形など遺伝的な要因がある上、その矯正は、なりかけの初期でないと難しいと言われています。ですから、幼児期の足の使い方、はき物への配慮が非常に重要です。小学校3年生くらいまでは、靴をはくなら靴下をはかないで、足ゆびを開放しておくことをお勧めします。
一度外反母趾が始まると、なかなか進行を止めることはできません。特に、筋力が弱い女性は、加齢とともに、外反母趾の人が増え、特に12歳以降は増加が急カーブになります。
母趾が12度以上小趾側に曲がっている人の比率
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これは、ホルモンの影響をも示唆しています。その意味では、特に関節が柔らかくなる産前産後は要注意です(赤ちゃんが狭い骨盤の中の産道を通って生まれてくるため、女性は、妊娠中~産前産後に関節が柔らかくなります)。