ペットボトルの底を見てください。アーチの形になっているでしょう? もし平らだったら、すぐに倒れてしまうし、強度もありません。
この2つのパイプ椅子、どちらが倒れやすいでしょう。直感的にAの椅子だと分かりますね。それはなぜ?
両方とも、前後にアーチがあるので、縦の揺れには強いのです。では、横の揺れに注目してください。
Bの椅子は、前の脚がパイプでつながっていないので、アーチがあります。だから、倒れにくいのです。
さて、四つ足の動物は、からだ全体がアーチになっています。しかし、2本の足で直立した人間は、前足と後ろ足の空間を失いました。そして、その空間を足の裏につけました。
それが「土ふまず」が中心になっている丸天井です。
あなたの足には、「土ふまず」がありますか?
柔らかい「こんにゃく足」(こんな足です→)になっていませんか?
足の裏を濡らして、乾いたところに立ち、足型をとってみましょう。
大切なことは、まっすぐ立って、体重をしっかりかけることです。
あなたの土ふまずは、図のように、Hライン~第二趾(し)の真ん中から足の側線の交点に引いた線~に、かかっていたでしょうか? 小ゆび側も、少しへこんで、土ふまずのようになっているでしょうか?
「土踏まず」には、次のようなはたらきがあります。
土踏まずをつくる7つの足根骨がかたい骨になるのが、幼児期ですから、土踏まずが形成されるのは、だいたい4~8歳頃のはずです。
このアーチができると、人間しかしない歩き方「アオリ足歩行」をします。
かかと→小ゆび側→おやゆび側にアオッて→母趾・二趾・三趾(おやゆび~中ゆび)で地面をけって進む、これが「アオリ足歩行」です。
先ほどお話したように、四つ足の動物にはほとんど土踏まずがみられません。人間が立って歩くようになったために、土踏まずはできたのです。
ですから、四つ足の動物の体にたとえれば、私たちの足の土ふまずより前の部分は「前足」、土ふまずより後ろのかかとの部分は「後ろ足」、という意味を持っています。
つまり、「アオリ歩行」はもちろんのこと、立つ、歩く、走る、跳ぶ、飛び降りる、よじ登る、踏ん張るなどの、人間の基本的な動きのすべてに、土踏まずは深く関わっています。