足の裏を濡らして乾いたところに立ち、足跡の形を見てみましょう。ゆびの跡が、10本、すべてきれいについていますか?
私は、フットプリンターという機器を使って、保育園で継続的に子どもたちの足の裏を測定していますが、この40年間に、ゆびが浮いて写らない子が激増しました。これは、足のゆびを使っていない、ということを意味しています。
1999年の調査では、足のゆびの跡が一本もつかない、全てのゆびが「浮き指」の子に出会いました。この子は、入園1年目の年長児で、厚いハイソックスの上に靴下を重ねて履いていました。赤ちゃんのとき、ハイハイをしないまま、歩くようになったそうです。
私は、浮き指の原因は次の通りだと考えています。
このような原因を作る生活として・・・・
このような生活が、足の指を使う機会を奪い → 足のゆびに力がつかない → 土踏まずができない → 運動能力が育たない、あし(足+脚)や体に左右差が生じるという結果を生みます。
実は、赤ちゃんのときは、みんな、足の5本のゆびがよく動いていました。お母さんのお乳を飲んでいるとき、赤ちゃんは両手の指と両足の指を同時に動かしています。歩き始めの赤ちゃんの足のゆびは、着地の時、各ゆびの間が、およそ2度ほど開いて、立位姿勢のバランスをとります。
しかも、大人の足は、おやゆび以外の4本のゆびが一緒に動きますが、赤ちゃんの小ゆびは別に動きます。なぜかというと、おやゆびの神経は、第4腰椎(ベルトを巻くところ)、次の3本は第5腰椎、小ゆびはその下の仙骨から出ているからです。
残念ながら、年を経るごとに、赤ちゃんのときの能力が退化していきます。それを食い止めるためには、先にお話した、たくさん歩くことや群れ遊び、履きものの改善などによって、ゆびをしっかり使うことが必要です。