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アーチの役割
足型をとってみよう
土踏まずのはたらき
4歳~8歳に出来上がる
ゆびが写らない子が激増
浮き指(ゆび)の原因
生活スタイルとの関係
ゆびを使わないと退化する
外反母趾=腰痛、膝痛予備軍
外反母趾になりやすい足
外反母趾のサインと進行
足長と足囲、どっちが長い?
日本人の足の形
足の発達~子どもから老人まで
生まれつきの左右差がより大きく
傾きを調べてみましょう
足のゆびをしっかり使って、体全体を元気にするアクション

浮きゆび

足のゆびが、しっかり地面に着いていますか?

ゆびが写らない子が激増

足の裏を濡らして乾いたところに立ち、足跡の形を見てみましょう。ゆびの跡が、10本、すべてきれいについていますか?

私は、フットプリンターという機器を使って、保育園で継続的に子どもたちの足の裏を測定していますが、この40年間に、ゆびが浮いて写らない子が激増しました。これは、足のゆびを使っていない、ということを意味しています。

1999年の調査では、足のゆびの跡が一本もつかない、全てのゆびが「浮き指」の子に出会いました。この子は、入園1年目の年長児で、厚いハイソックスの上に靴下を重ねて履いていました。赤ちゃんのとき、ハイハイをしないまま、歩くようになったそうです。


浮き指の原因

私は、浮き指の原因は次の通りだと考えています。

1.赤ちゃんのとき、手と膝と足の指の6足ハイハイをしていない
2.赤ちゃんのとき、壁や家具などにつかまって立つ練習をしていない
3.赤ちゃんのとき、つたい歩きをしていない
4.歩く距離が短い
5.足のゆびを使う「おにごっこ」や「おしくらまんじゅう」、すもう、ドッジボール、サッカーなどの「群れ遊び」をしていない
6.足のゆびが働かないはき物をはいている

生活スタイルとの関係

このような原因を作る生活として・・・・

・赤ちゃん時代・・・歩行器、親が手を貸して歩かせようとするなどで、体全体を使う機会を奪われている
・1歳頃~・・・きつい靴下や靴、足先が細い靴、大きすぎる靴、小さすぎる靴などをはいている
・2歳頃~・・・ベビーカーや車で移動し、歩く距離が少ない
・3歳頃~・・・砂遊び、ぶらんこなどの固定遊具遊びなどの自分の体を自分で動かす遊びが主で、他の子によって動かされる「群れ遊び」が少ない
・4歳頃~・・・「群れ遊び」が一日の遊び全体の70%に満たない。全身を活発に動かす時間が一日のうち4時間以下である

このような生活が、足の指を使う機会を奪い → 足のゆびに力がつかない土踏まずができない 運動能力が育たない、あし(足+脚)や体に左右差が生じるという結果を生みます。


ゆびを使わないと退化する

実は、赤ちゃんのときは、みんな、足の5本のゆびがよく動いていました。お母さんのお乳を飲んでいるとき、赤ちゃんは両手の指と両足の指を同時に動かしています。歩き始めの赤ちゃんの足のゆびは、着地の時、各ゆびの間が、およそ2度ほど開いて、立位姿勢のバランスをとります。

しかも、大人の足は、おやゆび以外の4本のゆびが一緒に動きますが、赤ちゃんの小ゆびは別に動きます。なぜかというと、おやゆびの神経は、第4腰椎(ベルトを巻くところ)、次の3本は第5腰椎、小ゆびはその下の仙骨から出ているからです。

残念ながら、年を経るごとに、赤ちゃんのときの能力が退化していきます。それを食い止めるためには、先にお話した、たくさん歩くことや群れ遊び、履きものの改善などによって、ゆびをしっかり使うことが必要です。


はじめに土踏まず浮き指外反母趾足裏の形からだの歪み・左右差最後に